ハイビスカスと言うと、南国の赤い花、真夏のイメージがありますが、ハーブのハイビスカスはローゼルとも呼ばれ別の植物です。そして、収穫の季節が今頃(秋)なのです。花の色は赤ではなく白色なのも大きな違いです。
花が落ちた後に残る果実のような、ガクの部分をお茶にします。
花もガクも、同じアオイ科のオクラに良く似ています。オクラもハイビスカスも、ガク部分を天に向かって伸ばしています。オクラの方が長く伸びますが、長さが違うだけでその様子はそっくりです。
ハイビスカスは、酸っぱくて赤いお茶で知られています。
酸味はハイビスカス酸、リンゴ酸、クエン酸など、赤い色はアントシアニン色素です。
エネルギー代謝に欠かせないクエン酸がしっかり摂取できて、アントシアニン色素の抗酸化作用があるところは、やはり夏に向くお茶だと言えます。
意外なことに、カリウムや粘液質やペクチンも含まれていますので、デトックス効果が期待できます。
ドライハーブでお茶にすると、粘液質やペクチンを感じることが難しく感じます。
私自身も、本当に粘液質があるのだろうかと疑問を持っていましたが、ある時、採りたてのハイビスカスの実(ガク部)を一粒譲っていただいたことがあります。
貴重な一粒を、思いきって半分にカットしてみました。
そこには、オクラと同じ世界がありました。
真っ白い種がいくつも並び、その周りのネバネバは、まるでオクラが赤く小さくなっているかのようでした。
この一粒のおかげで、ハイビスカスには粘液質やペクチンがオクラ並みに含まれていることを実感できたのです。
ハイビスカスは、ローズヒップとのブレンドが有名ですが、ルイボスやローズペタルと合わせても香りが良く美味しいブレンドになります。
また、秋になんとなく元気がなくなるタイプの方は、セントジョンズワートとのブレンドも元気な赤色のお茶で楽しく飲めると思います。
ただし、セントジョンズワートは、いくつかの医薬品との飲み合わせに注意が必要なので、薬剤師さんやハーブに詳しい人に聴いてから飲むようにしてくださいね。