『ローズヒップの力強い優しさ』

ローズヒップの力強い優しさ

秋は収穫の季節です。
植物は、春に芽吹き活動を始め、夏に花を咲かせ葉を茂らせ実を結びます。
私達はそれを収穫することで冬に備えることができます。
そして冬は静かに過ごし、春に活動する力を貯めておくのが季節の過ごし方だと陰陽論では説いています。
ローズヒップも今が収穫の時期です。
ローズヒップは、果実(偽果)を細かく砕いてお茶にしますが、種子からは質の良いオイルが採れます。
果実はビタミンCが豊富で「ビタミンCの爆弾」とも呼ばれるほどです。
オイルはビタミンAやビタミンE、リノール酸やオレイン酸を含み、ニキビや乾燥肌やアトピーなどの肌荒れにも良いと言われている人気のオイルです。
どちらも美容効果に優れた女性に嬉しいハーブの代表です。

お茶は淡いピンク色です。
ローズヒップの赤い色は脂溶性のカロテノイド色素なのでお湯に溶け出ないのです。
色も味もほんのり優しいハーブティーになります。
また、ローズヒップのビタミンCは高温に強いと言われ、どんなハーブブレンドにも使えるので常備しておきたい一品です。

北風の吹く冬にハーブ園に行った時のことです。
一粒だけ残ってシワシワになったローズヒップの実に目が奪われました。
強風に揺れて枝にしがみついていたその様子は、当時心が弱っていた私に「頑張れ」と語りかけてくれているようでした。
そのことがきっかけで冬のハーブ園が大好きになりました。
見過ごされてしまいそうなたった一粒の実でも、時に誰かを力づけてくれることがあるのが植物の偉大さです。
今の課題となっているSDGsは身近なところから始められますが、植物がどれだけ私達を助けているのか、植物がいないと私達はどうなってしまうのか、そこに気が付くところから始めてみるのはどうでしょうか。
私達を守ってくれる自然を私達も守りたいと思います。
いつまでもそばにあってほしいと思います。