
春の散歩の楽しみの一つに菜の花摘みがあります。
散歩の途中に小さな用水路があり、その土手にたくさん菜の花が咲きます。
アブラナとカラシナがほとんどで、食べやすいのはやはりアブラナです。
摘み取って帰り、からし醤油和えにしてほのかな苦みを楽しんだり、冷凍保存をしておき、パスタやみそ汁に重宝していました。
市販のものと比べようがなく柔らかく、甘くクセもなく、ちいさな子供でも喜んで食べます。
一面が黄色に染まる様子は春らしく心が温まる景色です。
ところが一昨年あたりから、花の数がみるみる減ってきました。
最初のうちは、今年は不作の年で来年はたくさん咲くだろうと楽観していましたが、減る一方です。
センダングサやオナモミなど、枯れた秋草が広がるばかりで緑色の春草が見当たりません。
この秋草はひっつき虫と呼ばれ子供たちの遊び道具になり、それはそれで秋の楽しみですが、ひっつき虫にパワーがあるのは誰にでも予想ができることです。
それが原因で追いやられたのか、土壌が悪くなり自然発芽に限界がきたのか、もしかしたら除草剤がまかれているのか…
いずれにしても当たり前だった春の楽しみがここ数年出来なくなり、心から残念に思っています。
散歩する意欲も下がり、土手まで足を延ばす気力もなく、健康にもよくありません。
菜の花の特化すべき成分はイソチオシアネートです。
同じくアブラナ科のブロッコリーで良く分かるように、茹でた時の独特の香りとほのかな苦みがイソチオシアネートです。
害虫や微生物から身を守るために生成している成分ですが、人間にはガンの抑制作用があると研究されています。
健康に優しいウォーキングと、お財布に優しい手摘みの菜花と、植物化学成分イソチオシアネートの摂取を再び取り戻したいと思う春の散歩なのでした。
